2015.01.31 故郷の山河
みくりヶ池から立山を望む(#6)

目に浮かぶ故郷(くに)の山河よ外は雪

昨日珍しく寒気団が関東を覆い雪が降った。私の故郷は冨山であるが、雪の立山・剣岳を思わず思い出していた。小さい頃朝な夕なに仰ぎ見ていた北アルプスの山々・・・・。冨山城址公園には、旧師前田普羅の「雪の五句」の碑がある。大好きな句ばかりなので書く事にしたい。「うしろより初雪ふれり夜の町」「大雪となりて今日よりお正月」「雪の夜や家をあふるゝ童声」「雪山に雪のふりゐる夕かな」「オリオンの真下春立つ雪の宿」。今頃立山の雪はどのくらいであろうか、見たいものである。
2015.01.31 初春
前田普羅の言葉(P9-23行)

初春を普羅の言葉と共にあり

旧師前田普羅は山岳俳人ともいわれているが、美しい日本の野山も詠っている。昭和18年に出版された「春寒浅間山」はその代表作と云える。「春星や女性浅間は夜も寝ねず」「慈悲心鳥おのが木魂に隠れけり」などの句がある。私は縁あって浅間山の見える地に住む事になったが、心もやはり彼の言葉の通りでありたい。初春にはあらためて思いおこすのである。即ち、「わが俳句は 俳句の為にあらず。更に高く深きものへの階段に過ぎず、・・・・・・・・」 。知人の今は亡き書道家、岩崎蘆風さんに書いて頂いた。
2015.01.31 雪嶺
雪嶺(2015,1)

雪嶺に歌い継ぎたる山の唄

雪嶺をみているといつしか山の唄を思いだし、口ずさんだりする。「谷川小唄」「穂高よさらば」「シ―・ハイル」・・・・・。榾火を囲んで、山の仲間と夜も更けるまで話をしたのはいつの頃だったろうか。
2015.01.31 動かざる
凍て雲赤城(2015,1)

ゆったりと凍雲赤城動かざる

大寒に入り赤城山も雪をかぶり堂々としている。今朝はそれにもまして凍雲がゆったりとして動かない。まるで競争しているかの如くである。我々も志を立てゆるぎなく生きたいものである。
2015.01.31 鴨の家
鴨の家(2015,1)

滝川に安堵の眠り鴨の家

今朝は風が冷たく散歩をするには如何かと思われたが、やはり外の空気にふれるのは気持ちが良いものである。滝川をふと見ると川沿いのところに鴨が並んで眠っていた。まるでここは自分の家だというくらいの雰囲気である。自然が豊かな前橋は素晴らしい!!
2015.01.25 雪晴れ
妙高山
 
雪晴れに集ふ早稲田の仲間達

1月24日(土)・25日(日)、OB会(SKI)で妙高高原に行った。このスキー場のこの時期、両日の素晴らしい天気に妙高山もびっくりという感じである。「シュプールにカービングの跡刻みけり」という句を考えていたが、素晴らしい先輩及び後輩達に恵まれ、ハッピーだなあと思い、思わず早稲田の仲間達と詠んだ。俳句になってないが晴れ晴れとした気分ではある。この日の妙高山は私自身でもある。シー・ハイル!!
2015.01.22 おおいなる
おおいなる(H27,1)

おおいなる眠りにつきし浅間山

午前11時には浅間山の雲は晴れたが、天気予報どおり、少し曇りだし、山はゆったりとしたその姿を現す。「おおいなる足音聞いて山眠る」という素晴らしい句が、旧師前田普羅にはあるが、今日の浅間はすでに眠りに入ったようだ。見るからに雄大なその姿ではある。
2015.01.22 寒暁妙義山
寒暁妙義山(H27,1)

寒暁の妙義仰ぎてひた走る

昨日軽井沢プリンスホテルスキー場へいった。時間があったので18号でいくと、磯部のあたりで朝焼けの妙義がくっきりと見えた。少し赤みがかってとても綺麗なので、思わず車を止め、しばし眺めることにした。そういえばもう大寒であり、空気も冷たくピリッとしているからであろうか・・・・寒暁の妙義山。
2015.01.22 新春大歌舞伎
新春大歌舞伎(H27,1)

初春の「女暫」おおどかに
   
18日(日)初句会が終わった後、歌舞伎座で新春大歌舞伎を見た。吉右衛門、玉三郎は素人の目で見ても流石である。
荒事で演じられる歌舞伎18番「暫」を、女方が演じるのが最大の趣向であり、面白さでもある「女暫」(おんなしばらく)。
寿新春大歌舞伎の演目として相応しいし、玉三郎が巴午前、吉右衛門が舞台番辰次でなかなかであった。古風で、おおどかで、華やかで・・・。
感想・・・猿之助の「黒塚」老女役は素晴らしい。目立ったのは勘九郎、染五郎、七之助・・・。まだおられるのだろうが、素晴らしい役者の演技を見ぬく力がないのが残念である。しかしながら、素晴らしい新春の一時ではあった。
2015.01.16 辛夷の芽
辛夷の芽(2015,1)

蒼空に力満ちたる辛夷の芽

小寒、七草、藪入と日が経つにつれ、辛夷の芽は力が満ちて蒼空にビロード状の芽を伸ばしている。まだまだ寒さは厳しいが、確実に、確実に芽を大きくしながら、辛夷は春を感じ待っているのである。光る辛夷の芽・・・。
2015.01.16 雪被る榛名
雪被る榛名(2015,1)

榛名嶺を雪うっすらと覆ひけり

昨日午後3時半頃前橋は初雪となった。今朝散歩をしに滝川沿いにでると、確かに榛名嶺に雪がうっすらと覆っていた。小さい頃の様に何故か嬉しい気持ちがした、もう1月16日藪入である。

2015.01.15 初雪
初雪(2015,1)

初雪や庭の万両密やかに

本日前橋に初雪が降った。たちまち庭は白くなり、今日ばかりは万両もひそとしている。静かな瞬間である。昨年の様に、気象庁始まって以来の大雪には、今年はならない気がするが・・・・・。思い出すのは旧師前田普羅の句である。「うしろより初雪降れり夜の町」(普羅)、昭和4年、報知新聞冨山支局長を退いて俳句一筋の生活に入った。この句からはそうした決意が垣間見ることができる。肌にふれる厳しい風土感をやさしい情念で包み込んだともいえる作。さらに、「うしろより」から、闇に包まれた山々の姿、即ち立山連峰の姿も思い浮かぶのである。初雪の「初」に千鈞の重み。
2015.01.11 どんど焼き
どんど焼き(2015,1)

歓声と炎を蒼空(そら)にどんど焼き

今朝は9時からどんど焼きだった。昨年までの公園が使えなくなり、ご厚意でお借りした田圃でのどんど焼き。今までの3分の1ぐらいの高さだが、高崎だるまも多数だされ前橋らしいどんど焼きだと言えよう。「神の火のいま左義長に移さるる」(高村柱史)があるが、神の火なのだろう。
2015.01.10 美しや
寒牡丹(薄紫)2015,1

美しや冬を生き抜く寒牡丹

薄紫の寒牡丹が咲いていた。この寒い冬を生き抜くパワーがあの美しい牡丹にあろうとは・・・・・・。

 
風冴ゆる(2015,1)

風冴ゆる牡丹苑を出た後は

何故か牡丹苑を堪能した後の東照宮は、風の寒さが身に沁みた。東京もお天気は良いが、風は冷たい。上野はこんなに寒かったろうか?桜が咲くにはまだまだ時間がかかりそうだ・・・。
2015.01.10 藁囲い
牡丹(藁囲い)2015,1

一家なす如く咲きたる寒牡丹

蕾に近いものから大輪の牡丹まで、藁囲いの中で三代が寄り添っているようだ。それぞれ己が美しさの限りを尽くしてほしいものである。厳冬に咲く牡丹は凛としている。





2015.01.10 黄色い牡丹
寒牡丹(黄色)2015,1

日差しにも映えて麗し寒牡丹

昨日上野東照宮を散歩していたら牡丹苑があった。冬の日差しを浴び、実に華麗な感じがした。不思議だったのは黄色の牡丹で、牡丹らしくない色だが、その美しさはある意味で際立っていた。
2015.01.07 七草粥
七草粥(2015,1)

七草や春が入りくる口熱し

今日は七草粥の日である。即ち、正月七日の粥に七種の菜を入れる風習で、全国に普及している。七種菜は普通、芹(せり)、薺(なずな)、五形(ごぎょう)、はこべら、仏の座、菘(すずな)、蘿蔔(すずしろ・大根)の七種で土地によって異同がある。
なんとなく体が暖まり、今年も無病息災であることを願う。
2015.01.07 夕日の噴煙
夕日の噴煙(2015,1)

大嶺に夕日の噴煙七日かな

正月も明けもう七日になった。夕日に浅間山だけでなく噴煙も薄紫に・・・・。旧師前田普羅の句を思い出す。「人の日や読みつぐグリム物語」 古くはシナで7日は人の日に当たるので人日(じんじつ)ともいう。即ち、元旦から八日までをそれぞれ、鶏・狗・豚・羊・牛・馬・人・穀として数えるのである。
2015.01.07 浅間噴煙
浅間の噴煙(2015,1)

墳煙も凍て雲のごと動かざる

時間が経ち午後の4時頃になると景色が固定され、確かに噴煙と思っていたものが凍て雲かとも思える。前橋は風が冷たく強いのだが浅間山はじっと動かない。
白銀の日を浴ぶ浅間(2015,1)
 
白銀の日を浴ぶ浅間寒に入る

日を浴びて浅間は白銀に輝いて見える。寒に入りさらに風格を増した浅間山。平成27年度を静かに見守ってくれる事であろう。
2015.01.06 薄日の川面
薄日(2015,1)

小寒の薄日川面に揺らめけり

今日は小寒の1月6日。朝の散歩もゆったりとでき、久しぶりにお洒落なご夫妻にも逢えた。お天気は今イチで薄日がさし、川面に揺らめいている。美味しい珈琲を飲みたくなる朝である。
月冴ゆる(2015,1)

月冴ゆる仕事初めの夕べかな

あっと云う間に1月5日(月)仕事初めの1日が終わった。ほとんど満月に近い月が見事であった。故郷では月は見えるのだろうか?
遥か北アルプス(H27,1)

雪嶺の北アルプスの遙かなり

立山連峰、後ろ立山連峰(白馬、鹿島槍、針ノ木など)は確かこの方角であるが、遙か彼方であろう。今年は雪が多いと聞いているが、冬山に登山中の皆様に敬意を表したい。
2015.01.04 八ケ岳を望む
八ケ岳を望む(H27,1)

凍雲に微かな光八ケ岳(やつ)受けて

旧師前田普羅は「甲斐の山々五句」のなかで、「霜強し蓮華と開く八ケ岳」と詠んでいるが、今朝の八ケ岳を望むと、バックに見える八ケ岳に微かな光がさして来た。何故か・・・・とても神々しく感ずる。思わずシャッターをきった八ケ岳。
2015.01.04 遥かなる妙義
遥か妙義(H27,1 )

冬暁の頂き遥か妙義座す

軽井沢プリンスホテルスキー場の頂きから、妙義山が独特な形状の山並みを見せる。今朝は空気が澄んでよく見える。しかしその分寒く、カメラのシャッターがなかなか切れない。「秋風や野に一塊の妙義山」(蛇笏)の句に見せる妙義の姿とは、明らかに違う厳しい妙義山。
2015.01.04 霧氷
霧氷(H271,1)

怪我癒えし我を祝ふか霧氷咲く

昨年の一月十二日、湯の丸スキー場での怪我以来約一年間かかったが、なんとかスキー場に立つことができた。大好きな浅間山の雄姿を仰ぎつつ初滑りとは幸せである。霧氷が美しい。
2015.01.04 初滑り
初滑り(H27,1)

スキー行く普羅の浅間を仰ぎつつ

今朝は早起きして軽井沢プリンスホテルスキー場へ行った。お正月だから当然の混雑を覚悟して行ったのだが、朝一番だったせいか、スキー場は空いていた。約一年ぶりのスキーであり、今シーズンの初滑りでもある。
2015.01.03 三日の夕日
3日の夕日(2015,1)

榛名嶺を包みし夕日三日かな

ただ静かに暮れていく榛名・・・・・、夕日が柔らかく榛名嶺を包んでくれているようだ。夕方になり空気が更に澄んできたからか、とても美しく感ずる。平成27年の正月は、三日も、はや暮れようとしている。